子育てにも役立つ「リフレーミング」ってなに?

リフレーミングとは

リ(再び)・フレーム(捉える)

周りで起きている物事は、あくまでも「中立」な出来事であって、それが「良いこと」なのか「悪いこと」なのか意味づけをしているのは人間の心だそうです。

悩みや問題など行き詰まった状態を捉えなおす(リフレームする)ことで、あらたな選択肢に気づいたり理想に向けた突破口につながったりという流れが生まれます。

もともとは家族療法などカウンセリングで使われていた言葉ですが、近年子育てや教育の場面でも多く使われるようになってきています。

死亡率10%、生存率90%

例えば、難しい手術をひかえているとき

「この手術の死亡率は10%です」と捉えるか
「この手術の生存率は90%です」と捉えるかで、感じ方がだいぶ変わりますね。

他にも、例えば会社をリストラされたら落ち込んだり絶望したりするのが当然かもしれませんが、「本当にやりたかったことを見つけるチャンス」と捉えなおすこともできます。

原因や責任の所在はどうでもいいからとにかくポジティブになれ!という話ではなく、落ち着いて考え新しい見方をすることで、突破口につながるというのが「リフレーミング」です。

子育てでリフレーミング

リフレーミングは子どもと向き合う時にもとても役立ちます。

一見マイナスと捉えられがちな子どもの特性は、裏を返せばその子の強みになるのです。

 

1つのことに過剰にこだわる

→並外れた集中力がある
アーティストや専門性の高い仕事で活躍している方は、自分の分野へのエネルギーの注ぎ方が違いますよね。

 

消極的・コミュ障

→慎重で思慮深い、堅実
慎重に物事を進める人は信頼を得やすいです。気が合う人が見つかったときに絆も強くなりやすいと思います。大人になったら、友達がたくさんいることよりも、本気で応援してくれる人や何かあったときに助けてくれる人がいることの方が大事になってきますね。

 

落ち着きがない

→バイタリティ溢れる、好奇心旺盛
どれもこれも興味があって、色々な場所に行ったりたくさんの人に会ったり、必然的に引き出しが増えます。人脈も広がって「充実してる」と感じる人も多いのではないでしょうか。

 

教育でリフレーミング

教室でもやはりラベリングされがちな子どもたち。

これは他のどこで役立つだろうか、どこでうまく機能するだろうか、と考えることは「状況のリフレーミング」と言ったりします。

 

おしゃべりが多い。集中できない。

話すことが好き、は言うまでもなく強みです。学級委員や司会を任せて活躍の場を増やすと、本人の自己有用感(自分が役に立っていると感じる)にもつながります。

 

空気を読まない

他の人と違う感覚をもち、周りに無理に合わせることなく行動できることはこれからの時代にむしろ必要とされている特性です。

アイディアを生んだり、思いもよらない切り口で進めることができる、企画の係などでクラスに貢献できるはず。集団の中で「空気を読まない」言動は白い目で見られることも多いかもしれませんが、「あの子はいつも面白い考えや発想を持っている」というポジティブな見方が広がれば、自己肯定感も高まります。

 

適材適所

「マイナスに目を向けるのではなく、いいところを伸ばそう」という考え方はもちろん、そのマイナスだと思われる面でさえも、見方を変えれば役立つところがある。「適材適所」とも言えますね。

接着剤の開発中、思うようにくっつかず失敗したと思ったとき残った液体が、あの便利な「ふせん」の元になったと言うのは有名な話。リフレーミングを活用した例です。

人で言えば、自分が何かの役に立っているという自己有用感をもつことは、幼児期から大切と言われています。

仕事でも学校でも、苦手なところを思い詰めて自信をなくすより、その人の特性を発揮できる「適材適所」を見つけることが幸福度を高めることにつながるのだと思います。