「この子の性格、誰に似たんだろ?」
子どもを持つ親なら一度はこう考えたことがあるのではないでしょうか?または、誰かがそう言っているのを聞いたことがある人もいるでしょう。たしかに、子どもが成長し人格を形成していく段階において、親が子どもに与える影響はかなり大きい部分を占めていると思います。そして親は、自分自身やパートナーの性格の良い部分だけを子どもには引き継いでほしいと願って子育てをしている人の方が多いのではないでしょうか。
誰しも、強く願っているわけではないにしろ、心の奥ではそう思っている傾向があるんじゃないかと思います。
こんなことを考えるきっかけをつくってくれたのは、Netflixのオリジナルシリーズ『ユニークライフ』です。
『ユニークライフ』は、自閉症を抱える高校生の主人公サムが、生まれて初めての彼女をつくろうと奮闘する姿と、それを支える家族の挑戦の日々をコミカルに描いた物語なんですが、シーズン1の第1話にこんなシーンがありました。
本編19:25辺り。久しぶりに2人きりのデートに出かけたサムの両親、ダグとエルサ。サムのことで口論になってしまったときの父親ダグのセリフです。
DOUG:
I love our son.
I always have. Has it been hard to connect with him? Yeah, it has been.
I thought he’d be more like me or like you.
He’s not like either one of us or anyone else I’ve ever met.[吹替]
俺の息子だぞ。
確かにあの子に近づくのは難しいさ。否定しない。
あの子はいずれ俺かお前のような大人になると思ってた。
だが、どっちにも似てないし、誰にも似てない。[字幕]
サムを愛してる
だが接し方が分からなかった
ずっとな
俺か君に似てるはずと
思ったが――まるで初めて会う人間だった
このダグのセリフにハッとさせられました。
自閉症の息子を持つ父親の苦悩を表現したセリフなんですが、実はこれ、どんな子どもを持つ親にも言えることなんじゃないかと。
「この子は母親に似てる」
「この子は父親に似てる」
「この子は誰々に似てる」
こんな風に決めつけてしまうと、子どもを型にはめることになってしまいますよね。
自閉症を抱えていようが、ちょっと変わった性格をしていようが、個々の人間はそれぞれ違っていて、それぞれの個性があると考える方がいいんじゃないでしょうか?
簡単ではないですが、そんな風な考え方ができれば、より大きな目で子育てを楽しめるような気がします。
「なんでそんな石ばっかり集めるの?!」
「なんでトイレ行くのがそんなにイヤなの?」
「なんでそんなに器用にえのきをよけて食べるの?」
「なんでわざわざ車のおもちゃを整列させないと次の行動に移れないの?」
息子たちとの毎日ではこんな風に思うことが多いんですが、どれも個性なんだと捉えることができるように、ぼくも努力したいと思っています。
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