多くの子どもたち、そしてその保護者を苦しめてきたRSウイルス。(うちの長男も2才のころに入院歴あり😣)
お子さんをお持ちの保護者や、保育園や幼稚園などで働く職員の方々は誰もが恐れているウイルスだと思います。
今年は例年に比べてRSウイルスの感染者数が増え、重症化によって病床がひっ迫している状況がニュースにもなっていますよね。
RSウイルスってどんなウイルス?
呼吸器合胞体ウイルス(Respiratory Syncytial Virus)の略。
日本を含め世界中に分布している、呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。
年齢に関係なく感染や発病を繰り返しますが、2才までにはほぼ100%の子どもが感染するとされています。
参考「IDWR 2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症」
感染したときの症状は?
症状としては、軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々ですが、初めて感染発症した場合は重くなりやすいといわれており、特に生後数週間~数か月間にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすこともあります。
通常はRSウイルスに感染してから2~8日、典型的には4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻水などの症状が数日続きます。
初めて感染した乳幼児の約7割は、鼻水などの上気道炎症状のみで数日のうちに良くなりますが、約3割は咳が悪化し、「ゼーゼー・ヒューヒュー」という異常な呼吸音や呼吸困難症状などが現れます。
大人の場合は風邪症状のみの軽症の場合がほとんどですが、RSウイルスに感染した子どもを看護する保護者や医療スタッフは、一度に大量のウイルスが入ることによって症状が重くなる場合もあります。
治療法
これまで、RSウイルスには特効薬は存在せず、主に症状の管理や予防に重点が置かれています。
そんななか、このRSウイルスに対抗するワクチンが誕生したことを伝える記事を見つけました!
Both the Centers for Disease Control and Prevention (CDC) an…
RSウイルス感染症の治療薬誕生
記事によると、FDA(米国食品医薬品局)がこのほど、乳幼児のRSウイルス感染症予防に役立つ新薬を承認したとのこと。
Beyfortus(ベイフォータス)と呼ばれる新薬は、1回の注射で流行季節を通してRSウイルスを予防することができるそうです。
従来のワクチンとは異なり、今回承認された新薬はRSウイルスを撃退するための抗体を静脈注射によって投与するものなので、自分で抗体をつくる必要がないといいます。
RSウイルス予防の未来
この新しい薬はとても画期的ですが、ほかの医薬品同様に副作用も確認されています。
また、この薬によってすべての感染を完全に阻止することはできません。
しかし、感染したときの重症化を防ぐことができますし、医療機関のひっ迫を防ぐことにもつながります。
ベイフォータスが承認されたことで、ほかの種類のウイルスの予防につながる可能性も広がっていて、妊娠中の母親が接種すればRSウイルスの予防効果を赤ちゃんにも及ぼすことができるようなワクチンの研究も進行中とのことです。このRSウイルスワクチンの研究を進めているファイザー社は、これまで良い結果が示されていて、近いうちにもFDAの承認を受けられると見込んでいます。
アメリカで承認された新しい薬が、日本で承認されて使用できるようになるまでのどのくらいかかるのかわかりませんが、なるべく早く使用できるように動いてもらいたいところですね。
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