アイスランドが15年連続「ジェンダー平等世界一」の理由とは?

先日、世界経済フォーラムによる2024年の「ジェンダー・ギャップ指数」が公表されました。そこで発表された日本のジェンダー平等のランキングは、146か国中118位

まぁ~そうだよな~って感じですよね…。(いちおう、125位/146か国だった2023年からは順位を上げてはいますが…)

その調査で15年連続世界一を記録しているのが、北欧のアイスランドです。アイスランドがなぜ「ジェンダー平等世界一」なのか、その理由について以下のNHKの記事を参考にまとめてみました。

「日本118位の調査で15年連続世界一 アイスランドってどんな国?」

アイスランドってどんな国?

アイスランドは、イギリスの北西に位置する北欧の島国です。人口は約38万人で、火山活動が活発な国としても有名です。また、アイスランドは「商業捕鯨」を行っている数少ない国の一つでもあります。首都はレイキャビクです。

ジェンダー平等世界一の理由

アイスランドが15年連続でジェンダー平等ランキングで1位を獲得している理由は、政治と経済の分野にあります。たとえば、アイスランドの議会では、議員の約48%が女性です。これは、多くの政党が選挙時に女性候補者を40%以上にすることを自主的に決めているからです。

それだけでなく、女性が政治に参加しやすい環境も整っています。
子育て中の女性議員が赤ちゃんを連れて議会に参加することも当たり前に見られる光景となっているそうです。

アイスランド議会 (NHK記事より)
赤ちゃんを抱える議員 (NHK記事より)

この議場の明るさといい、女性の多さといい、赤ちゃんが一緒にいる風景といい、今の日本の議会ではありえないような光景だと思いませんか?

写真に写っている女性議員は、野党の党首だそうです。その方のインタビューでの言葉がこちら。

スタッフに子どもの面倒を見てもらおうと思っていましたが、この子が私のそばを離れたがらなかったので、きょうは議場に連れて入ることにしました。
仕事をしている人なら、何らかの理由で子どもを職場に連れて行かざるをえない状況になったことがあると思います。議会も、少しだけ優しい場所であるべきです

すべてのジェンダーに優しい社会にするには、まずは議会という場がすべての人に優しい場所であるべきだと思います!

なかま父
なかま父
ぼくが生きているうちに日本の議会でこういう光景見られるかなぁ…

歴史的な背景

アイスランドがジェンダー平等に進んだのは、国中のほとんどの女性が家事や仕事を一斉に放棄するという1975年のストライキがきっかけだったそうです。このストライキで、女性の役割の重要性が広く認識されるようになり、1980年には世界初の女性大統領が誕生しました。

育児休暇の仕組み

アイスランドでは、育児休暇がジェンダー平等に配分されています。2021年からは、母親と父親がそれぞれ6か月ずつ育児休暇を取れるようになり、その間の給料の80%を国が負担しています。これにより、父親も育児に参加する文化が根付いており、ほとんどの父親が育児休暇を取っています。

NHKのインタビューを受けたソフトウェア会社の幹部(女性)の言葉も印象的でした。

去年は1割の社員が育児休暇を取りました。確かに会社にとっては時々、大変な状況となります。
それでも誰かが抜けただけで業務が立ち行かなくなる状況は望ましくありません。人材のローテーションは会社にとって成長、進化、変革のチャンスとして見ています

時代の変化を、自社にとっての「成長、進化、変革のチャンス」と捉える姿勢。それこそが、今後活躍する企業に求められる姿勢だと思います。

経済への影響

アイスランドの経済成長率は高く、2023年には4.1%に達しました。日本の1.9%、ヨーロッパ全体の1.4%を大きく上回ったそうです。これは、政府が保育所や幼稚園に多額の予算を投入し、働く女性が安心して子育てと仕事を両立できる環境を整えた結果です。子育て支援の充実が、経済の活性化にもつながっているということを示しています。

まだ課題も

アイスランドでは、男女の平均所得には未だ約9%の差があることが課題として捉えられています。2023年には、この問題を訴えるために大規模なストライキも行われたそうです。ジェンダー平等が進んでいるといっても、まだ完全とはいえないと、アイスランド国民は行動を続けています。

ちなみに、経済協力開発機構(OECD)のデータによると、2022年の日本の男女の賃金格差は21.3%だったそうです。

なかま母
なかま母
日本はまだまだ格差が大きいんですね…

日本はどうすれば?

アイスランドの取り組みは、日本でも参考にしていくべきです。家事や育児を女性だけの役割にせず、社会全体で支えることで、働く女性が増え、経済も活性化します。アイスランドのように、法律や制度を整えて男女平等を進めることはとても重要だと思います。

アイスランドの成功は、次の世代に向けてどのような社会を築くべきかを教えてくれます。すべてのジェンダーが平等に活躍できる社会を目指すことは、みんなの幸せにつながるはずです。

少子高齢化に歯止めがかからない状況が続いているここ日本。
アイスランドのように、ジェンダー平等や子育て世帯への支援・理解が進んでいる他国の取り組みから学び、将来の日本を生きる次世代のためにも、より良い未来を目指していきましょう!

 


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