デンマークに学ぶ、これからの日本の働き方:効率と幸福の両立を目指して

みなさん、こんにちは!
前回の記事投稿からだいぶ時間がたってしまいました😓まだ読んでくださる方がいるのか不安ですが、ぜひともみなさんに共有したい記事を見つけたので紹介させてください。

子育てや教育に直接関連した内容というわけではないですが、子育て中の親や学校で働く先生方の働き方を考えるきっかけになると思いますし、これからの日本社会を明るく良いものにするためには、デンマーク人のマインドセットを多くの大人が知っておくことは重要なことだと思っています。

今回紹介するのはこちらの記事↓

日本の弱点「ビジネス効率性」で5年連続1位のデンマーク 4時に帰っても成果が出せる秘訣

こちらの記事では、ワークライフバランスを実現しながらも非常に高い国際競争力を維持しているデンマークという国について紹介されています。”ワークライフバランス”と”国際競争力”という、一見すると両立が難しそうなこの二つをデンマークはどのように実現しているのでしょうか?

具体的にデンマークではどのような働き方をしているのでしょうか?記事からいくつかポイントをご紹介します。

プライベートを大切にする考え方

デンマークでは、プライベートライフの充実が仕事の成果に繋がるという考え方が根強くあります。

  • 首都コペンハーゲンは、ワークライフバランスを実現している都市として1位に選ばれています。春夏の午後3時、4時ごろには、公園の芝生で日光浴を楽しむ人々が多く見られます。
  • 典型的なデンマーク人の一日は、朝に子どもの見送りを済ませ、8時から9時ごろに出勤し、3時、4時ごろには退社します。そして、家族と一緒に夕食を取り、リラックスした時間を過ごすことを重視しています。
  • 『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか?』の著者である針貝有佳氏によると、デンマーク人にとって重要なのは「プライベートライフを犠牲にしていない」ということです。一旦家に帰り、必ず家族と食事をする時間を確保し、家族に負担がかからない範囲で仕事をするのが一般的な働き方です。
  • デンマーク人が大切にする言葉に「ヒュッゲ(HYGGE)」があります。これはデンマーク語で「心地良さ」「楽しい時間」を意味し、安らぎを感じられるプライベートライフや、大切な人と一緒に過ごす時間、自然の中で過ごすひとときを非常に大切にしています。

徹底的な業務効率化

デンマークでは、限られた時間で成果を出すために、徹底的な業務効率化が図られています。

  • 会議とメールの効率化:会議の参加人数やメールのCCは最低限に抑えられます。また、会議の終了時刻は厳守され、延長は基本的にありません。
  • ダブルチェックをしないデンマークの職場では、ダブルチェックは行わないことが一般的です。これは、一人ひとりのプロフェッショナルとしての責任と能力を信頼しているからです。
  • 優先順位付け自分の仕事の役割を明確にし、優先順位の高い業務に集中します。優先順位の4位以下のタスクは思い切って切り捨てられることもあります。

テイク・バック・タイムという会社の代表ペニーレさんは、「とにかく無駄を減らすんだ」と述べており、会議、慣習、システム、メール、DX、規則、タスク、ランチ、確認作業、人間関係、社交辞令、承認、手続き、書類、意思決定プロセスなど、ありとあらゆる側面からの無駄を徹底的に排除することが重要だとされています。

デンマークの人は、石橋を叩いて渡るのではなく、石橋を作りながら渡っていくというように、まず行動を開始し、試行錯誤しながら改善していくスタイルを持っています。

柔軟な働き方を支える制度

デンマークのワークライフバランスは、柔軟な働き方を支援する制度によって支えられています。

  • フレックスタイム制ほぼすべての職場でフレックスタイム制が導入されており、週37時間を基本として、出社・退社時間を自分でフレキシブルに決めることができます。
  • 在宅ワークOK:職種によっては在宅ワークも認められています。これにより、通勤時間を削減し、より柔軟な働き方が可能になります。
  • 長期休暇年間5~6週間の有給休暇があり、特に夏休みは3週間の連続休暇を取得することが一般的です。しっかりと休息を取ることで、心身をリフレッシュし、仕事へのモチベーションを維持します。
  • 育児休暇:夫婦合わせて52週間の育児休暇を取得でき、男性も育児休暇を取ることが当たり前になっています。これにより、夫婦で協力して育児に専念できる環境が整っています。

サポートとしての管理職

デンマークでは、管理職は部下を管理するのではなく、サポートする役割を担っています。

  • ファシリテーターとしての役割:上司は部下のファシリテーターとして、部下のサポートをするという意識を持っています。これにより、社員は安心感を持って挑戦し、疑問や意見を伝えやすい環境が生まれます。
  • マクロマネジメント:ほとんどの組織が、信頼ベースで任せる「マクロマネジメント」を採用しています。細かい指示や管理ではなく、部下に仕事の役割を認識させ、具体的なやり方については任せるというスタイルが一般的です。

組織のトップであるケネットさんは、「各専門分野のエキスパートは部下であって僕じゃない」「部下に仕事を断られることもある」と述べており、フラットな組織文化を示しています。
市の管理職であるハッセさんは、「部下は自分がベストだと思う選択をすればいい。うまくいかなかったら報告してほしい。その時は一緒に改善策を話し合おう」という姿勢でマネジメントを行っています。
デンマークの管理職は、チーム全員のワークライフバランスを考慮することを非常に大切にしていることがわかります。

個性を活かす適材適所

デンマークの組織では、社員一人ひとりの個性や専門性を活かすことが重視されています。

  • プロフェッショナルとしての役割:一人ひとりの社員はプロの専門家として雇われており、組織の中で特定の役割を担っています。
  • 社内公募制度:製薬会社ノボノルディスク社では、社内公募制度を設けており、ある部署で空いたポストに対して、他の部署からも応募できる仕組みがあります。IT部署から人事部へ異動した社員が、異なる視点をもたらし組織に良い影響を与えた事例が紹介されています。
  • 個人の能力開発プラン・キャリアプラン:各社員が定期的に自分のキャリアプランを考え、将来の目標や必要なスキルを明確にする機会が設けられています。
  • 教育機会の提供:社内で様々な講座やコースが提供されており、社員は働きながら学ぶことができます。マネジメント講座を通じて、管理職への適性を見極める機会も提供されています。

セールスのトップであるデニスさんは、部下が適材適所かどうかを見極める指標として「記憶力」を挙げています。「覚えられないということは関心がないということなんだ」と述べ、仕事への関心が個人の能力発揮に繋がると考えています。

これからの日本にも

ここまで紹介してきた具体的な事例を見ると、デンマークがいかに効率的で柔軟性があり、個人の能力を最大限に活かす働き方を実現しているのか納得できますよね。

日本社会には、いまだに我慢」や「自己犠牲」が“美徳”とされる風潮が残っています。学校教育環境においても、そのような風潮を感じることが、まだまだたくさんあります。もちろん、デンマークと日本とでは、文化や社会システムが異なりますので、これらの働き方をそのまま取り入れることは難しいかもしれません。それでも、デンマークの働き方の根幹にある考え方は、私たちがこれからの働き方や日本社会全体について考えるうえで、多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。

 


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